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与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 103, p.239 - 250, 1987/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.75(Nuclear Science & Technology)ROSA-III装置は、冷却材喪失事故(LOCA)時の熱水力挙動を調べるための、電気加熱炉心を持つ体積比1/424のBWR模擬装置である。BWRのLOCA時の炉心内の基本的な熱伝達挙動を解析し、CHF後の熱伝達率とクエンチ温度のデータベースを得るために、5,15,50,200%破断実験の熱伝達解析を行なった。その結果、炉心でドライアウトしたロッドの蒸気冷却期間における対流熱伝達率は、約120W/mK以下であること、スプレー冷却期間における熱伝達率は、低圧で測定された値より大きいこと、ボトムアップクエンチ温度は、飽和温度と262Kの和で、相関されることが示された。この結果を用いて、RELAP4/MOD6/U4/J3コードの熱伝達率モデルを改良した。改良されたモデルにより、200%破断実験におけるロッド表面温度の時間変化が、よりよく計算された。
与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 92, p.195 - 205, 1986/00
被引用回数:1 パーセンタイル:20.71(Nuclear Science & Technology)ROSA-III装置は、LOCA/ECCS総合実験のための電気加熱炉心を有するBWRの1/424の装置である。本装置を用いてHPCSの単一故障を伴う破断面積200%,50%及び15%の再循環ポンプ入口側配管破断実験を6実験おこなった。破断口として薄刃オリフィス又は、のど部の長いノズルを用いた。実験において、破断口形状の違いによる破断流量の差は、破断口上流がサブクール状態である場合にのみ表われること及びオリフィスを通る流量がノズルを通る流量より大きいことが示された。又破断口形状の差は、他の系挙動,特に被覆管最高温度に対して、ほとんど影響しなかった。RELAP4/MOD6/U4/J3コードを用いて解析することにより、15%破断実験結果のBWRへの適用性が確認された。実験結果は、コードによりよく計算され、同じ挙動がBWR解析においても計算された。
与能本 泰介; 田坂 完二
JAERI-M 84-030, 154 Pages, 1984/02
小破断LOCAにおけるROSA-IIIとBWR/6の相似性の検討をおこなった。そのため、まず、ROSA-III実験の解析をRELAP4/MOD6/U4/J3コードでおこない、計算コードの解析性能とその限界を明確にした。そして、次に、同じコードを使い同じ入力モデルでBWR/6の解析を行い、ROSA-IIIとの相似性を検討した。解析の対象とした実験は、HPCSの単一故障を仮定した再循環ポンプ吸込み側5%破断実験、Run912である。ROSA-III実験Run912の圧力、炉心水位、被覆管表面温度等の基本的な熱水力挙動はRELAP4/MOD6/U4/J3コードで精度良く解析することができた。そしてROSA-IIIの解析結果は、BWR/6の解析結果と一致し、小破断LOCAにおけるROSA-IIIとBWR/6の良好な相似性が確認された。
与能本 泰介; 秋永 誠*; 安部 信明*; 田坂 完二; 青木 英人*; 斯波 正誼
JAERI-M 83-046, 144 Pages, 1983/03
HPCS故障を仮定した再循環ポンプ入口側配管での両端破断LOCAを対象とし、RELAP4/MOD6/U4/J3コードにより、BWRとROSA-IIIの両体系を同じモデルで解析し、実験データとあわせて比較検討し相似性を調べた。その結果、系圧力の変化は両者とも実験結果とほぼ一致すること、水位および被覆管表面温度挙動は、こまかい点に関しては、さらに検討が必要であるが、全体的傾向は実験データと一致しROSA-III実験によりBWRの大破断LOCAの主要現象が充分な精度で模擬しうることがわかった。
田坂 完二; 小泉 安郎; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 斯波 正誼
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(2), p.89 - 104, 1983/00
被引用回数:13 パーセンタイル:78.7(Nuclear Science & Technology)非常用炉心冷却系(ECCS)の条件をかえてROSA-III試験装置において5%小破断実験を行った。実験結果から高圧炉心スプレー系(HPCS)を作動させさえすれば低圧系ECCSの作動に関係なく炉心は水におおわれ冷却され続けることが明らかとなった。HPCS不作動の場合には全炉心が蒸気雰囲気中に露出する。しかし被覆管表面最高温度は1022K以下であり現行の安全基準の1473Kより充分低くおさまっている。HPCSを作動させないRun8051の結果をRELA4/Mod6コードで解析した結果、ブローダウン過程では被覆管表面温度の計算結果は実験結果とよく一致することが明らかとなった。再冠水過程においては被覆管表面温度の計算値と実験値との一致は不充分であり、熱伝達相関式の改良が必要なことが明らかとなった。
藤木 和男; 吉田 一雄
JAERI-M 82-076, 40 Pages, 1982/07
米国LOFT原子炉において実施された実験L3-6/L8-1の解析をRELAP4/MOD6/U4/J3コードを用いて行なった。解析の主たる目的はPWRの小口径破断・冷却材喪失事故に対するRELAP4/MOD6/U4/J3コードの解析能力を検証することである。1次冷却系統の圧力、温度、破断□からの放出流量、系内の冷却材分布、燃対棒温度挙動等についてコードによる計算結果と実験データとの比較を行ない、その結果、破断流量、一次系の圧力、温度及びホットレグの分離二相流以外の健全ループ内流動については両者は良い一致を示した。しかしながら主冷却水ポンプの二相流状態での挙動、蒸気発生器、破断ルーブ(停滞水)に関しては解析モデルの改良が必要なことが明らかになった。
田辺 文也; 吉田 一雄; 松本 潔; 下桶 敬則
Nucl.Eng.Des., 69(1), p.3 - 36, 1982/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.87(Nuclear Science & Technology)TMI事故の熱水力学的解析を事故発生より三時間にわたる期間についてRELAP4/MOD6/U4/J2を用いて行なった。操作員の動作、蒸気発生器2次側条件の時間的変化など一部の解析条件はプラント・レコードによっている。解析では、加圧器ヒータの効果、金属-水反応による水素の発生と存在などを模擬している。解析結果はプラント・レコード又はそれらから推定されたものとよく一致している。加圧器ヒータは加圧器内冷却水のエンタルピを高めるため逃し弁からの流出流量を小さくしその結果、炉心水位はヒータを無視した場合よりも高くなることや8000秒以降の圧力上昇は水素の存在による分圧と水蒸気凝縮熱伝達係数の減少が主たる原因であることが本解析により明らかになった。また燃料棒の蒸気中への露出は事故後6490秒より始まり炉心下部より3.4ft~4.5ft以上の部分の露出が約40分続いたと推定される。
安部 信明*; 熊丸 博滋; 田坂 完二
JAERI-M 9621, 116 Pages, 1981/08
日本原子力研究所のROSA-III計画の一環としてCSNI(Comittee on the Safety of Nuclear Installation)の国際標準問題第12番(ISP-12)に対する実験RUN912が行なわれる。ROSA-III実験RUN912は沸騰水型原子炉の再循環ポンプ吸込側配管の5%スプリット破断を模擬し高圧炉心スプレの単一故障を仮定してしいる。ROSA-III実験RUN912の予測解析をRELAP4J、RELAP4/MOD6、RELAP5/MOD0コードを用いて行なった。RELAP4J、RELAP4/MOD6、RELAP5/MOD0コードは軽水炉の冷却材喪失事故および過渡変化時の熱水力現象を解析するコードである。RELAP4JおよびRELAP4/MOD6コード均質平衡の二相流モデルに基づいているのに対し、RELAP5/MOD0コードは非均質非平衡の二相流モデルに基づく最新のコードである。この予測解析により各コードの特徴が把握でき、冷却材喪失事故解析コードの評価を有効に行なう事ができる。
竹下 功; 早田 邦久; W.H.Grush*
JAERI-M 9399, 48 Pages, 1981/03
LOFT L2-2実験でのブローダウン初期に現れた炉心のリウェット現象は、これまでの予測計算では予測されなかった。そこでRELAP4/MOD6によりL2-2実験について、被覆管温度に与えるシステムノーダリゼーションの効果、炉心における熱伝達関係式の効果を中心に感度解析を行なった。システムノーダリゼーション感度解析では、炉心、ダウンカマの流動抵抗が、ブローダウン初期の炉心流量に大きな影響を与えることが、また熱伝達関係式感度解析ではギャップコンダクタンスの被覆管温度への影響が大きいことがわかった。